クラウドコンピューティング最新事情 ~ 第4の情報革命が与える企業、産業の衝撃 ~

クラウドコンピューティング最新事情 ~ 第4の情報革命が与える企業、産業の衝撃 ~

主催:ウチダユニコム
場所:東京・新川、内田洋行新川オフィス

 内田洋行グループとは、先々代の社長、久田仁氏と日経新聞時代の丁々発止の取材が縁になって、筆者が日経新聞社を辞めて以来、時々の話題についてユーザーセミナーや幹部の勉強会で講演してきた。「クラウド」についても、何度か講演しているが、タイトルは同じでも、内容は毎回、変化している。それぐらいに情報産業の世界は進化のスピードが速いということで、タイトルにも「最新事情」という言葉を入れて内容の変化を予告している。

 今回の新しい内容は「クラウド」についての別の角度からの理解の仕方の提示である。

 まず、注目したポイントは、「クラウドコンピューティング」がクラウドのインフラから分離された急速な端末の発達と表裏一体で進化しつつあることである。クラウドの仕組みが登場した後、急にスマートフォンが多様に、かつ、爆発的に進化してきた。これはユーザーにとって膨大な情報がインターネットの向こう側に蓄積され、利用の価値が上がったことと無縁ではない。同様にデジタルサイネージの普及である。デジタルサイネージをただの「電子看板」と見ている間はクラウドとは関係がないが、実はそのデジタルサイネージはインターネットと結びついて、遠隔地から次々と個別の情報を個別の端末に送り込めるようになることがもっと革命的なのである。それを見越しての普及である。電子書籍端末や多機能端末が多彩になってきたのも同様の背景である。

 つまり、クラウドがもたらしつつあるのは、「情報機能」が3つの構造に分離しつつあることだ。1つは「情報の収集」でQRコード、RFID、指入力端末 など、その後の情報の利用に関係なく独立して発展している。2つ目が「蓄積・加工」だ。IaaS、HaaSなどクラウドインフラ やSaaSによるプログラムのサーバー管理が端末の発展に関係なく独立して発展し始めた。最後が「情報の利用」で、前述の多機能端末、ケータイ、スマートフォン、デジタルサイネージが独立した階層として発展していることだ。

 こうした各階層が構造分離して独自に発展してゆくのは、パソコンがモジュール化して各部品が独立して発展していった構造に似ている。パソコン革命に次ぐネットワーク革命は、各機能が構造分離して独立して発展し始めたことによって強力に推し進められる。第4の情報革命の本質ではないか。

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