事業継続活動における情報セキュリティ~内部統制が誘発する企業革新~
2009年07月22日
東京・平河町・海運会館
MM総研代表取締役所長 中島 洋
主催 : テラデザイン
リスク管理のコンサルティング会社「テラデザイン」の顧客向けセミナーでの講演。同社は、筆者が理事長をしている首都圏ソフトウェア協同組合の加盟企業で、理事長としてはテラデザイン社のビジネス支援として講演を引き受けた。当初は、深い考えなく引き受けたのだが、打ち合わせているうちに、テラ
デザイン社と筆者の考え方が極めて似通っていることに気がついたしだいである。
企業が社会から信頼され続けなければ存在基盤を失う。その信頼のひとつが事業継続性の確保である。そのためには広い意味での情報セキュリティ対策がキーになる。今回のセミナーではそこまでで良かったのだが、「内部統制」という言葉に誘発されて、内部統制にも立ち入った。取引先への安定供給の責任を果たすために事業継続性の仕組みができているかどうか、その点検も内部統制の一部である。
内部統制は、経営者や取締役が従業員や企業の活動の隅々まで掌握して、不正や非効率を摘出し、その原因を明確にして仕組みとして改善してゆくことである。一般には「不正を摘発する」監視機能ばかりが強調されたので、「不正をけん制するために不要な経費を費やす」と嫌われたものである。しかし、不正をけん制するために、業務プロセスを「見える化」することは、別の角度からは、非効率を摘出し、これを改善して収益力を高める手法にもなる。しかも都合の良いことに、不正監視も非効率の摘出も、全く同じ「業務プロセスの見える化」から導かれるので、不正監視=効率化への改善となるのである。
この考え方がテラデザインと、同じなのである。
本セミナーでは、その内部統制のための仕組みづくりの重要性を強調した。