日本のIT業界の現状と改革の方向

日本のIT業界の現状と改革の方向

東京・泉岳寺・首都圏コンピューター会議室
講師:民主党参議院議員 鈴木寛
主催:全国ソフトウェア協同組合連合会(中島洋会長)

 全国ソフトウェア協同組合連合会は、北海道から沖縄まで、全国各地で活動している中小ソフト企業の協同組合が参加する連合会である。新政権のIT政策はどうなるのか――強い関心を集めている。そこで、経済産業省(旧通産省)で長く情報産業政策を策定してきた鈴木寛議員に、緊急に新政権の考え方を聞くとともに、全国の中小ソフト会社の現状と要望を聞いてもらった。

 鈴木議員は、情報政策を担当した20年近く以前から全国連合会のリーダーだった横尾良明連合会専務と緊密に情報交換をしてきた。連合会との信頼関係は篤い。一方、現在の中島洋連合会会長とは、中島会長が慶應大学SFC教授の時期に鈴木議員もSFC助教授で一緒に研究活動を行い、以降、情報交換を頻繁に行ってきた。民主党で実質的にIT政策分野の中心人物になった鈴木議員は、選挙後の多忙な中を、貴重な時間を割いて組合の事務所に来て講演してくれた。

 鈴木議員は「民主党はITの利活用によるEビジネスの促進は、日本の成長政策の最重要課題と認識している」と指摘。「現行の事業規制はゼロベースで見直す」と述べた。ユーザー拡大と技術開発普及の観点からEビジネスの促進を図る政策を実施する、と明快な答えだった。

 民主党には、経済産業省や財務省出身の若手国会議員が多くなった。偶然ではないようである。官僚制の行き詰まり、利権に支配されて革新が進まない行政に限界を感じて、霞ヶ関を捨てて政界から官僚制の改革を目指したのが、これらの議員である。霞が関出身の民主党議員は若手を中心に36人もいるそうだ。政策立案能力をもった議員たちである。当分、期待して、その活動にこちらからもアイデアを投げてゆくチャンスのようである。

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