「クラウドコンピューティングセミナー~沖縄におけるクラウドの可能性を探る~」
2010年02月09日 那覇市・パシフィックホテル沖縄
基調講演:パネル討論司会:MM総研代表取締役所長 中島 洋
パネル討論(敬称略):
杉水流 智之・グーグル(エンタープライズセールスマネージャー)
赤井 誠・日本ヒューレット・パッカード(インフラストラクチャーソフトウェア・ブレード事業本部担当部長)
前田 みゆき・日立製作所(全国公共ソリューション本部 主管)
比屋根 隆・レキサス代表取締役
勝目 和夫・沖縄県観光商工部長
主催:沖縄県
中国を中心にしたアジア経済の急拡大は「経済世界地図」を大きく塗り換えつつある。特に日本のポジション、沖縄のポジションは劇的に変わりつつある。数年前まで、沖縄は東京を中心にしたアジア経済圏の「日本のはずれ」だった。しかし、今年度、中国のGDPが日本のGDPを追い抜くことは確実とみられ、中国はついに米国に次ぐ、世界第2の経済大国に躍り出る。1942年、アヘン戦争で英国に敗れて没落して以来、中国は世界史の中で存在感を急速に消していった。毛沢東による共産中国の誕生も世界経済へのインパクトは小さかった。それがここ4、5年で高成長軌道に乗って、一気に日本を追い抜くところまで来た。170年ぶりに世界経済史の舞台に躍り出てきたと言える。
その勃興するアジアの中心に最も近い日本の地域が沖縄である。アジアに突き出た日本からアジアに通じる拠点である。アジア地域への展開で、沖縄に事業拠点を置き、クラウド化する情報拠点の一部を置くのは合理的である。
グーグルの杉水流氏はそもそもクラウドコンピューティングをリードするグーグルのサービスはどんなものがあるのか、日本HPの赤井氏はHPのクラウド戦略や沖縄への意欲、日立の前田氏は自治体クラウドの狙いや実情、レキサスの比屋根氏は沖縄で展開するデータセンタービジネスの可能性と問題点、沖縄県の勝目氏は沖縄県のIT戦略と、それぞれの立場からクラウドコンピューティングの現状と今後について熱く議論した。
このセミナーは沖縄で公的に開催される初めてのクラウドコンピューティングについてのセミナーである。クラウド型のデータセンターを沖縄に集積する可能性を探るものだったが、その手ごたえを十分に感じた。