日本と台湾のソフトウェア企業のビジネスマッチングのイベントである。日本と台湾で交互に開催しているが、台湾では3回目で、台北で開催される「COMPUTEX」に時期を合わせて日程がセットされている。テーマは日本と台湾、中国の3地域が連携してアジアの新しい情報産業地域を構築しようというのが目標である。今回は厦門の行政の代表も会議に参加し、日-台から日-台-中の連携の足掛かりをつかんだ。この連携を「ゴールデントライアングル」
と名付けて、協力し合いながら、新しい連携の形を模索する予定である。
会議では、日本側の出席者は発言に先立って、大震災に際して台湾の皆さんから寄せられた多大な支援について深く感謝する旨の御礼を述べた後、議論に入った。
日本の産業界にとって大きな課題は、中国に進出したビジネスがトラブルを抱えてなかなかスムーズに進まないことである。政治的には中国と台湾は緊張関係が継続しているが、経済的にはすでに融合が進んで、台湾企業は大陸各地に事業所を設け、幹部、従業員が大量に大陸で活動している。日本企業が直面するトラブルは言語理解が十分でないうえ、中国人の発想や慣行を正しく把握していないことに起因することが多い。資本主義世界での経験が豊富な台湾企
業と日本企業が連携することによって、日本の技術、ソフトウェアノウハウなどを、トラブルを少なくして中国でビジネスとして実現する、というのが、参加者が期待することだった。日本側の発言者は、一様に、今後の日本の情報産業界の発展は成長するアジア、とりわけ中国への事業展開を抜きにして考えられず、そのパートナーとしての台湾への期待が述べられた。
日本、台湾、中国から、35社、企業、行政関係者などが参加した。台湾からは経済部、中国からは厦門市の行政担当者が参加したが、日本側ではまだ、中国政府に遠慮してか、まだ、参加者はいないのが、心残りではある。