クラウドコンピューティング最新事情 ~~第4の情報革命が与える産業、企業への衝撃
2011年09月30日
内田洋行の情報事業子会社群は7月に合併して内田洋行ITソリューションズとして再発足した。毎年、各地で、現地各法人が展開してきたセミナーは、新生「内田洋行ITソリューションズ」のセミナーとして引き継がれた。
今年のセミナーでは、当然ながら、大震災を経験した後、地方の中堅・中小企業はどのように経営のかじを取れば良いか、地方自治体はどのように産業振興に手を着け、電子行政を加速すべきか、に焦点を当てた。大震災以後、大きく浮上したのが「BCP」つまり事業継続のための準備の重要性である。BCPに不可欠なのが情報管理のバックアップで、その手段としての「クラウド」が脚光を浴びている。
中小企業は単独のシステムでデータやプログラム、ソフトウェア資産をバックアップするのは経費負担の面から困難である。重要なキーワードは「共用」「アウトソーシング」である。アウトソーシングする先は「クラウド」を整備し、データやプログラムの分散保管によって企業や自治体が災害にあっても業務を維持継続できるようにしていなければならない。
日本全国では今後はこうしたクラウドのシステムの一部を構成するためのデータセンターの需要が大きくなる。現在は首都圏に74%が集中していて、国家的レベルのリスク管理ができていないが、今後は各地への分散が重点課題になるだろう。青森県は、冬場の雪をうまく使えばデータセンターの難題の一つである発熱を冷却することができる。また、風力発電を含めて再生エネルギーの開発に実績を挙げていて、データセンターの立地条件に適合している。新しい
産業振興の目玉としても、ぜひ、データセンターをはじめとした情報産業の振興に目を向けてもらいたい。