スマホを取り巻く国内外の諸事情について

スマホを取り巻く国内外の諸事情について

 アジアと日本を結ぶ中継点である沖縄では、そのIT産業の橋渡しをすべく、産業集積を目指した「IT津梁(しんりょう)パーク」という産業団地がある。筆者が座長を務めて計画を詰めて、着々と企業立地が進んでいる。ここにアンドロイドのテスティングセンターを創設しようという企画が今年夏ころから持ち上がって、横須賀リサーチパークなどと協力して7月には沖縄にアンドロイドテスティング協議会が発足した。さらに関連各企業からソフトウェアのテストをする受け皿会社として「GIOT(グローバル・インターオペラビリティテスティング)沖縄」を設立することになった。

 利用企業への宣伝を兼ねたシンポジウムが東京で開催されて、筆者が基調講演を依頼された。アンドロイド全体を話すのは筆者の立場ではないので、情報社会の歴史的推移から、スマホの次には「モノとモノのインターネット」つまり、IOT(インターネット・オブ・シングス)が到来することを説明した。

 筆者は、90年代の後半から、インターネットを利用する主体として「ABCD」を主張してきた。ネットワークにアクセスするのは、行政(アドミニストレーション=A)、企業(ビジネス=B)、個人(コンシューマー、シチズン=C)と活動してきたが、その次は「D」=デバイスである。「モノ」にRFIDやセンサー、あるいは通信接続機能をもつ微細なマイクロコンピューターが組み込まれてネットワークにつながる。

 これがIOTと言われるものの必然である。

 GIOTの「IOT」は別の意味だが、アンドロイドのテストとは、主に、スマホに組み込まれるソフトウェアや機械に組み込まれるソフトウェアのミスをチェックする。つまり、モノのインターネットとしてのIOTの検証をすることでは同じである。沖縄に新しいアジアの情報技術の拠点が姿を現すことになりそうだ。

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