アジアの中の沖縄 オンライン決済が育む 沖縄観光の未来

アジアの中の沖縄 オンライン決済が育む 沖縄観光の未来

 日本経済新聞が沖縄で現地印刷を始めて11月3周年。これを記念して沖縄で開催されたフォーラムである。美ら島沖縄大使である筆者、中島 洋と大分カボス大使である村上憲郎氏が観光大使の立場で沖縄の観光産業の発展の可能性について論じ、沖縄地元の観光発展のキーマン、沖縄の観光インターネットサイトを作成中のビジネスラリアートの代表者、急膨張する中国の電子商取引を背景に急伸中のオンライン決済会社の国際事業責任者がさまざまな角度から議論した。

 特に7月に中国観光客向けに「数次ビザ」が試験的に発給されることになったが、その条件は中国から沖縄に到着して1泊する中国観光客に3年間有効の「数次ビザ」が発給されるというもの。中国から日本への観光客には、沖縄が玄関口である、と示したわけだが、その実験期間中に中国観光客にどこまで沖縄を売り込めるのか。

 そのまた玄関口はインターネットの沖縄観光webサイトである。いまや旅行の際に依拠すべき情報源は旅行案内の雑誌やムック、単行本ではなく、また旅行会社でもなく、インターネットの旅行サイトである。観光を支えるのは、いまやITである。

 もちろん、旅行会社が運営するサイトもそれなりに有益だが、次の段階では、観光地が自ら作るサイトである。魅力的なコンテンツを魅力的に表現して観光客をサイトに導き、そのサイトで申し込みを受け付ける電子商取引の世界になる。この見通しから、沖縄コンベンションセンターが沖縄の観光情報を統括するサイトを構築し、その上で中国人観光客がその場で申し込める仕組みを構築しようとしている。もちろん、支払いもこのサイト上で一貫して行えるのが必須条件で、設立してわずか4年ですでに中国国内で6億口座の加入者を獲得したアリペイが注目されるわけである。沖縄への中国人観光客の誘致は、魅力的な沖縄コンテンツに加えて、インターネットサイトでの魅力的な誘致、さらに、簡単に支払いができるオンライン決済の仕組みが必要だ。

 アリペイの6億口座は大変な数字である。インターネットで決済できるネットマネーだが、1人で5口座まで登録できるそうだが、現実は平均2口座以下で、加入者実数は3億人程度ではないか、と朱さんは述べた。日本の人口の3倍近い契約者数である。中国市場の巨大さがひしひしと感じられる。

 村上氏は、沖縄を玄関口とする中国人観光客を沖縄で1泊した後、日本最大の温泉地域である大分にどのように呼び込むのかが課題だと述べた。沖縄・大分連携も、今後、注目である。

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