クラウドサービスビジネスの今後の展開

クラウドサービスビジネスの今後の展開

 ASP・SaaSの業界団体であるASPIC(河合輝欣会長)のスプリングミーティングでの特別講演である。最近、SaaS業界において気になることを簡単にスケッチする講演にした。気になるポイントは① 市場の要求の変化、② 国際化の諸問題、③ 引き続き要求されるBCP・グリーンDC、そして④ サイバーテロへの対応~~の4つである。

 このうち最も気になる市場の要求の変化では、ビッグデータへの対応を急ぐというテーマがある。ビッグデータ、つまり「データの爆発的増大」の要因には、IOT(Interet of Things=M2M)の進展が第一に挙げられる。トレサビリティの本格化、自動車のセンサー情報の集積、スマートメーターの家電製品への搭載が、IOTを現実のものにさせつつある。

 もちろん、スマホ、スマートタブレットなどの携帯型の高機能端末の急速な普及も大きな要因である。ユーザーが手軽に情報を発信するSNSのサービスが拡充してスマート機器のユーザーが大量の情報のやり取りを行い始めた。さらにSNSなどでは映像・画像情報もふんだんに取り扱っているのでその処理、保管のニースが増大している。

 こうした需要に応えるために、データセンター企業では、1社での施設増強では耐えられずに、サービス連携・システム連携によって効率的な体制を整備し、この需要増大になんとか耐えようという動きが出ている。

 また、スマホ、スマートタブレットではGPSなどによる位置情報の利用が多くなってそのデータの流通とリアルタイム処理の要求が大きくなった。また、ビッグデータの活用方法として、BI・BAサービスの拡大も期待が高まっている。こうしたサービスもSaaS事業者の今後の方向であろう。

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