毎年数回、内田洋行のセミナーで講演をしている。タイトルは同じ「経営危機に勝つためのIT活用新時代~クラウドコンピューティング最新事情~」である。刻々と変わるクラウドコンピューティングの世界をその時々の局面を反映しながら皆さんに情報を提供している。今回は、「仕事の仕方(ワークスタイル)の根本的革新⇒テレワーク」「新しいワークスタイルを支える道具の出現」「ワークスタイルを変える思想の浸透」の3つの角度から最新事情を分析した。
共通しているのは「新しいワークスタイル」である。
「根本的革新」では(1) 昨年の電力不足をきっかけに公認された在宅型ワークスタイル(開発・管理・支援業務)、(2) 外出先でのモバイルワークスタイル(営業・渉外・情報収集業務)の進展を概観した。
「道具の出現」では、言わずと知れたスマホなどの出現に焦点を当てて(1) 情報端末(シンクラ、スマホ、タブレット端末)の多様な進展、(2) ソーシャルサービス(SNS、GPS、時刻刻印・・)によって情報流通、業務体制の管理、(3) Web会議システム(自社運用、SaaS・・・)による意思疎通の緊密化、(4) 各種クラウドサービス(文書共有、保管、日報・・)による仮想的一体感の醸成~~などを議論した。
「思想の浸透」では、(1) ワークライフバランス(ワークライフシナジー)の思想で家族を大切にするワークスタイルの追求、(2) 通勤や移動に伴うエネルギー消費を抑制するエコ(環境重視)、(3) 企業経営の立場でも経費削減につながる、オフィスコスト削減、通勤コスト削減の効用、(4) 従業員の意識としては従来の時間による管理から仕事の質を問う実績による企業への寄与が評価される新しい価値観の醸成~~を指摘した。
クラウドは新しい価値観を広げ、ワークスタイルの変化を呼ぶ。