編集長が推す「このセミナー」
沖縄経済特区セミナー in 横浜
「ITとモノづくりの新たな展開 ~人材が豊富な沖縄への進出を提案します~」
2008年2月5日
主催 : 沖縄県・内閣府
場所 : 横浜グランドインターコンチネンタルホテル
パネル討論 司会 MM総研所長 中島洋
情報 : 立花忠恒氏
(日本アイビーエム・ビジネスサービス(株)代表取締役社長)
金融 : 大畑敏久氏((株)外為どっとコム代表取締役社長)
製造 : 椿 宣悟氏((株)カメリア・アジア・パシフィック代表取締役)
沖縄県の仲井真弘多知事の基調講演に始まった特区セミナーは当初120人の参加を目標に集客を始めたが、申し込みは270人を越えて、会場を変更、当日の歩留まり率も高く、結局240人ほど参加して、立ち見に近い人も見受けられた。
今回のパネルディスカッションは、「人材」にスポットを当て、沖縄への進出過程における人材の確保、人材の面で沖縄県特有の状況、内地と沖縄を比較して、どう感じているのか、沖縄県の産業環境の特質、 沖縄での今後の更なる企業展開、今後、沖縄県に期待することなどが話し合われた。
仲井真知事、司会役の中島所長らによってまず、強調されたのは、沖縄県の失業率の高さだ。全国平均の2倍の7~8%を推移している。それも20代、30代の若手の失業率が目立って高い。これは沖縄県が他県と違って地理的に首都圏、関西圏から遠いため、家族同居を希望する若手労働力が就職先を県内に希望する傾向が強いのが原因である。その一方で、若手労働力にふさわしい職場が県
内には確保されていないため、失業率が高い。
労働力不足にある内地と比べればはるかに豊富な労働力が見込める。また、性格はまじめで研修による能力向上の効果も大きい。従って、目的にあった人材に育成してゆくことが可能な若手労働力が多いということである。ある会社は、短期間を契約社員として雇用して集中的に研修し、その中から十分に研修効果が出た若者だけを絞り込んで半分ほど、正式雇用契約を結ぶ方法で人材を確保してきた、と成功事例を報告した。
また、賃金の安さを期待するのは誤りだという指摘もあった。むしろ、能力やスキルに応じて内地同様の給料水準を維持すれば、さらに優秀な人材を集めることができる。いずれにしても、税制面、生活費の安さ、温暖な気候などとともに人材確保の面でも、沖縄に進出することの有利さが納得の行くセミナーだった。