ITが激変させる経営の条件
~先進企業から沖縄の経営者は何を学ぶのか~
2008年2月28日
主催 : 沖縄県IT応援隊、内閣府沖縄総合事務所
場所 : 那覇市・かりゆしアーバンリゾート那覇
基調講演 MM総研所長 中島洋
経済産業省が中小企業のIT活用を促進するために作った「IT応援隊」事業の一環である。ITコーディネーター協会が推進機関として活動している。ITコーディネーター協会はBPIAの副会長を務めた関隆明NECソフト元社長が代表者である。その沖縄の組織が同県のIT活用優秀事業所を表彰し、モデル企業の活動を発表するために開催したセミナーで、県外から招いた識者として基調講演を行った。
講師は、現在、ITをめぐって起きている顕著な現象として、情報・通信技術の急進展によって消費者への接近手法が多様に出現したことを、まず指摘した。その顕著な事例は、沖縄県でも大きく進展しているコールセンターやコンタクトセンターが各地に設立されているが、その機能は年々高度化していることである。さらにビジネスを効率よく進行させるために、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)へと進化している。また、いわゆるWeb2.0に含まれる消費者主導の情報共有=評判が市場に大きな影響を与えている。ブログ、SNSの急速な普及で、消費者、ユーザーが従来のマスメディアではなく、消費者や
ユーザーがネットワークに書き込む評判によって商品やサービスを選別してゆく。
パソコンだけでなく、外出中にケータイで他人の評判を調べながら店や商品を選ぶケータイショッピング、ケータイナビなどがすでに浸透している。 また、経営組織の大転換、つまり、企業改革も大きく進展している。ネットワークをベースに分散環境の組織を作ることが最近のトレンドである。データベースを共有してネットワークを通じて端末に情報を呼び出して業務をするので事業所が離れていても、業務執行上に支障はないのである。その道具としてテレビ会議システムの精度が上がり、グループウェアなど情報共有手段が多様に登場している。特に身近な端末として、外出中にどこからでも情報を入出力
できるケータイが強力な道具に浮上している。
さらに注目されるのはSaaS(ASP)の急速な発展である。ネットワークを介してソフトウェアやデータを利用する。 こうした状況はネットワークが高速化して急速に料金が安くなって引き起こされた現象である。東京や大阪などのビジネスの中心地から遠く離れたロケーションにある沖縄の企業にとっては、この状況は、不利だった距離の問題を克服する絶好の機会である。