「クラウド・コンピューティング・バイブル」
ジョルダンブックス:1800 円+税
2009年9月28日発行
編著者 中島 洋
編集長自らの本を推薦するのは公平を欠く気がするが、さりとて、推薦しなければ「自信がないのではないか」と疑われてしまうので、苦渋の選択で、やはり推薦することにする。元々、クラウドコンピューティングの解説本、最前線についての紹介は、多数、類書が出ているし、そもそも「クラウドコンピューティング」の定義が語る人によって「100人100色」のところで、最前線を紹介してもすぐに陳腐化してしまうので、その方向はとらないことにした。出版社ともその点で合意した。
クラウドコンピューティングの変化の中で、ITが進展する本質的な事象を捉え、それを理解しやすい方法で描くことによって、ビジネスマンに向けたビジネス書にすることにした。「そうだったのか」と納得して、翌日、同僚や部下、上司にもその内容を自分の知識として語れるようにしたい。一応、全編を通じて流れはあるが、筆者の意図としては、それぞれの章、項を単独で読んでも役に立つ本にした。こういう本は辞書や事典がそうだが、さすがにそうした網羅性はない。用語索引をひいて求める場所をさっと開くことができるという本でもない。
しかし、随所に深い洞察があって、身近なエピソードで理解が深まる、というものである。こういう類の本で代表的なものは何か、と考えてみると、バイブルがそうではないか、と思いいたった。「バイブル」という言葉を使用するのは不遜のような気がしたが、出版社はこの書名を強く推したので、その意見を入れることにした。
少し値段が高いのが気になるが、それだけの内容になったとは自負している。クラウドコンピューティングとは何なのか、肩に力を入れずにページをめくることができるので、ぜひともご一読をお願いしたい。(冷や汗)