福田前政権のときに、日本の国際化の後れの回復と高等教育機関の充実を目指して多数の優秀な留学生を海外から招く構想が打ち出された。そのために一定の質を確保した大学・大学院30校を拠点校に指定する、というものである。漏れ伝え聞くところによると、政府は道州制の施行と併せて構想を進め、各道州には数校の拠点校を配置するようにしたいようである。
沖縄は道州制では、単独州となる可能性が極めて高いが、この留学生拠点校構想は、ぜひとも単独州になる際にはそのビジョンの中核において欲しい、重要パーツである。それも漫然としたものではなく、特定の分野で世界一の水準を誇る拠点校が求められるので、沖縄自身が単独州としてどういう特色ある州を目指すのか、とセットにして考えなければいけない。
筆者の考えは、こうである。
単独州「沖縄」の経済を支える柱は観光とITである。ITといっても漠然としているので、さらに専門化しなければならないが、ここ10年以降を見渡すと、中国や東南アジア諸国の成長によって東アジアの中心が移動して、日本は東アジアの中心からはずれるだろう。東京はアジアの東の端に位置することになるが、今は日本の端に思える沖縄はそのころには東アジアの中心に近いアジアへの窓口として地政学的に重要なポジションをになう。そういう時点で、IT分野でインフラとして成長し、沖縄のポジションで優位性を持つものは何か。一つの重要な領域がセキュリティーであろう。セキュリティーに関して世界一級の研究者を集め、その専門家を育成する教育・研究機関を戦略的に構築することが戦略的にとるべき道の一つではないだろうか。
もちろん、教育機関だけでは機能しない。その周辺にセキュリティー産業を集積しなければいかない。同時にアジア・セキュリティー・センターのようなアジア全体のネットワークの安全を推進する機関も設置する。沖縄をセキュリティー産業の世界的基地にする。最近、筆者はこういうビジョンを抱き始めている。この分野に興味ある方、一緒にこのビジョンについて研究してみませんか?