沖縄県内景気2年半ぶりの上昇
2009年10月28日
沖縄総合事務局財務部の発表によると、09年7-9月期の県内経済判断は「厳しさが続いている」から「厳しい状況にあるものの、一部に下げ止まりの動きが見られる」へと上方修正した。前回景気判断を上方修正したのは2007年1-3月期で、2年半ぶりのことである。全国から遅れていた沖縄の景気反転の判断だが、個人消費や貸家・分譲の住宅関連に弱いながら回復基調が見られて、ようやくかすかながら、悪化一辺倒だった景気判断に変化の兆しも出てきたようである。
もちろん、「変化の兆し」であって、変化そのものではない。最も県内の関係者が懸念しているのは観光分野である。新型インフルエンザの広がりで、修学旅行や航空機を利用する旅行を取り消す動きが止まらない。この動きがいつ終息するのか。
今後に期待できる明るい話題がないわけではない。最も期待されているのが、那覇空港の24時間空港化によって、27日から全日本空輸の国際貨物事業がスタートしたことである。沖縄を東アジアの物流ハブにしようという構想が動き始めた。中継基地としてアジアの空港との競争が始まるが、この新しい輸送手段を通じて沖縄の産品の内地やアジア各地への販売の機会も拡大するのではないか、と沖縄の産出品を再点検する機運も広がっている。新型インフルエンザには影響を受けない分野である。
10-12月期には、こうしたプラス要因が加わる。長いトンネルを脱出できるかどうか。
那覇空港の24時間運用の動きについては、今後も注目してゆきたい。