「マグロ天国」=沖縄の再発見

「マグロ天国」=沖縄の再発見

 全くの認識不足。脱帽して土下座して「ごめんなさい」である。実は、筆者は、沖縄はカツオの水揚げの場所だと確信していた。お刺身はカツオ。佃煮のように味付けしたカツオの加工食品もカツオが抜群の味だと思い込んでいた。

 テレビ東京の番組と連動して掲載している「キーワードで読むガイアの夜明け」のデータ集めで、沖縄のマグロの実態を初めて知った。なんと沖縄の漁獲高のトップはマグロで、平成17年統計で全水産量1万8457トンの実に53%を占め、2位のソデイカの11%を引き離して、ぶっちぎりである。3位も5%でカジキ。筆者が幼少のころ、我が家では、「マグロ」と称してカジキの切り身の煮つけをありがたく食べていたので、これも見方によってはマグロなのだろう。こういうのを加えれば、マグロは58%になる。

 第4位は海藻類で4%、やっと5位にカツオが登場するが、わずか3%に過ぎない。マグロの20分の1。沖縄はカツオだと思っていたのに、実はマグロ王国だったのである。マグロは回遊魚で、広い海洋を泳ぎ回っているが、どちらかと言えば温暖な海が好きなようで、沖縄はマグロが好きな海域なのだそうである。

 どうせ水揚げしても、高く売れる首都圏まで輸送されるのだろう、と、負け惜しみで思い込んでみようとしたが、そうでもないらしい。沖縄の友人は、スーパーでは東京で購入するのとは違う格段の安さでおいしいマグロの刺身が売られているのだそうである。実際、人口一人当たりのマグロの都道府県別消費量では、静岡、千葉、埼玉、群馬、山梨、栃木などの関東周辺県に次いで、沖縄は堂々の7位だ。

 単に統計データに出ているだけでなく、コンビニにも「マグロ王国」沖縄を象徴するような記事が載っていた。たとえば、沖縄ファミリーマートに関する日本経済新聞沖縄地域版の記事では、石垣島産の新米を使用したおにぎり「沖縄県産本まぐろかつおむすび」(税込み280円)、「青磯海苔県産本まぐろ飯」(同135円)、「県産本まぐろかつ重」弁当(同530円)、ハンバーガーの「県産本まぐろメンチカツバーガー」(同270円)といった具合だ。絶滅危惧ということで世界的に漁獲制限されているクロマグロ(本マグロ)が、なんとおにぎりである。「本マグロのメンチバーガー」なんて、どんなメンチカツを挟み込んでいるのだろう。

 うーん、さすがに「マグロ王国」 ならでは、である。

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