日本HP(ヒューレット・パッカード)が沖縄で、データセンターの保守運用、監視などの統合的サービスを開始すると発表した。沖縄側では沖縄クロス・ヘッドが24時間・365日監視を担当する。同時にHPの「クラウドサービスアジア検証センター」を設立することを発表した。今後沖縄でデータセンター運用を検討するユーザー企業に対して、最新のハードウェアおよびソフトウェアテクノロジーで構築した検証環境をIT津梁パークと沖縄クロス・ヘッド社に設置する、という。
沖縄はこれまで長い間、「日本の辺境」という認識だった。中国や台湾との国境に接する「日本の端っこ」として理解されてきた。筆者が沖縄への事業進出を勧めても、「中島さん、日本のはずれまで進出する前に、やることは沢山ありますよ」と時代認識のない回答を受けることもしばしばだった。
その状況が21世紀に入って徐々に変化し、ここ半年で劇的にその地政学的価値が変化した。その意味が日本HPの発表文の中にはっきり現れている。設立するのが「クラウドサービス アジア検証センター」である。新しい沖縄の認識は日本から「アジア」に事業を展開するときの拠点である。
GDPで言えば、今や中国は日本を上回る経済大国である。5年も経てば、米国に肩を並べるか、それをしのぐ世界最大の経済大国に成長する可能性も否定できない状況である。「一人当たりGDPではたいしたことがない」と過少評価する意見もあるが、「購買力」を考慮すれば、「総額」も重要である。巨大な市場として出現するだろう。そうなると、アジア全体がこれまでとは違う巨大な経済圏として再編成される。日本企業も中国を一つの極にしたアジア圏の事業体制を構築する必要がある。従来の、安い労働力を利用した「生産拠点」というオフショア利用とは根本的に異なる事業展開である。当然ながら、経済大国になる中国は、一段と進歩した開放ルールで運営されるはずである。
その際、沖縄はアジア・中国の中心に最も近い、日本の窓口になる。沖縄は新しい国際化の拠点になるのである。その先触れが「アジア検証センター」という用語である。HPの今回の発表には、沖縄の未来の大きな展開の予兆がある。歴史的な展開を刻む一里塚である。