沖縄発「地域情報プラットフォーム」

沖縄発「地域情報プラットフォーム」

 琉球新報社が4月1日、沖縄の地域情報集積サイト「ぷらっと沖縄」をグランドオープンする。すでに昨年末からプレオープンしているので、その雰囲気はwebで見ることができるが、プレとはいえ、なかなかよくできたサイトである。さすがに、足で稼ぐ情報収集はお手の物のライターを束ねる新聞社だ、と感心した。コンテンツは充実している。情報量も極めて豊富だ。

 筆者も、日経新聞在籍中の10数年前から、地方新聞社の生き残り策は、ネットワークで地域情報を発信する新しいメディアになることだ、と説いてきたが、その具現した姿がここにある。今後の地方新聞社の生き残りのモデルとして推奨できる。もちろん、いくつか、追加すべき情報は残されているにしても、これが全国の地域に広がれば、沖縄発の地域情報プラットフォームのビジネスモデルとして、沖縄としても大いに面目を施すところである。

 もちろん、サイトの魅力はコンテンツの充実とともにデザインの優劣にも左右される。これも合格である。サイトのデザインはwebデザインで数多くの実績をもつ沖縄地元企業「アイアム」(仲嶺朋広社長、那覇市曙)が担当して、実に、魅力あるものに仕上がっている。

同社はTシャツの企画・制作やネット通販でデザイン力を蓄積し、そのノウハウからさまざまな企業や組織、学校のホームページ制作まで手掛けている。知人から「アイアム社に依頼したら、サイトアクセス率が数倍に向上した」と聞いたので、多少、眉つばでサイトを見たが、確かにデザインは一味違う。琉球新報が同社をパートナーに選んだのも首肯できる。

「ぷらっと」ろいう名前は、最初に耳から聞いた時には、沖縄に観光に行ったり、住民がぷらりと街に出るときに、何か情報を得るための手段として「ぷらっと」を活用するということか、と思った。どうやら、「プラットフォーム」が本当の意味のようだ。街に出る際に気楽に情報を収集する、というイメージをほうふつさせることを狙って、「ぷらっと」とひらがなでネーミングしたらしい。このサイトに小売店、飲食店、各種施設や公共機関などが、どんどん情報を載せて発信してゆく、そのプラットフォームだが、4月1日のグランドオープン後、どれだけのアクセスを集めるか。オールドメディアの新聞社が、新しいメディアを創造できるかどうか。

しばらく注目である。

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