グリーンITの具体例、沖縄から新サービス ~~沖縄移住起業家の挑戦~~
2010年05月27日
沖縄への移住者が、どのように起業できるか? 今回は、沖縄でベンチャー企業をスタートさせようとしている中年ビジネスマンの奮闘を紹介しよう。
仮にAさんとしよう。大手通信会社を退職して、沖縄で会社を設立したばかりである。在職中から、オフィスの端末で不正行為が行われていないか、ネットワーク経由で監視する情報漏えい防止の新サービスの実験を行ってきたが、このサービス自体は実事業には至らないままでいる。
しかし、その過程で、オフィスの端末を監視していると、ディスプレーの消し忘れなど、多量のエネルギーロスが発生していることに気付いた。そこで、退職後、今度は自前のロボット技術を利用して端末を自動監視し、無駄があればネットワーク経由でそれを潰してゆくという監視サービスを立ち上げた。まだ、実験段階だが、現在のところ、エネルギー消費を5%程度、削減する効果が実証されたという。
沖縄では、IT事業をスタートさせるのに活用できる環境がある。情報特区で、税制上の恩典もあるし、沖縄をテストベッドにして、各種の実験プロジェクトについての補助金の機会もある。沖縄から出てゆくことに抵抗をもつ若い人材が適切な職場がないので、就業機会を探しているので、人材を得やすいし、研修・教育用の助成金がうまく使えれば、事業スタート時の人件費を軽減するチャンスがある。
Aさんはそうした仕組みを組み合わせながら、事業を次第に大きくしてゆきたい考えだ。回線速度が大幅に向上しているので、沖縄での実験が成功すれば、これを徐々に全国に拡大することも可能だろう。「沖縄発」のSaaS型の新サービスである。今後、実用化の段階に至れば、その経緯をフォローしよう。沖縄で事業をスタートする典型的な事例になる。