沖縄は涼しい? ~海風で意外に冷やされる~

沖縄は涼しい? ~海風で意外に冷やされる~

 沖縄・首里育ちの母は、故郷を思い出すたびに「沖縄は暑かった」と言っていたが、母の存命中の内地は、猛暑日が続く最近の内地の夏ほどは温度が上がらなかったような気がする。最高気温が30度を越えれば、外出は控えたいほどに暑く感じたが、35度を超えるなどという暑さはあまり記憶がない。いま母が生きていれば、この内地の暑さを何と思うだろうか。「沖縄の方が涼しかった」というかもしれない。

 すでに、多くの読者は気が付いていると思うが、毎日、テレビで放送される気象予報の番組をみると、最高気温だけを比較すれば、全国の主要都市の中で最も低いのは那覇市である、ということがしばしばある。東京や大阪、名古屋が35度、36度の時に、那覇市は32度、せいぜい33度である。前橋や岐阜、京都などの盆地が体温より高い37度、38度を記録するのをみると、沖縄から見れば気の毒になるほどだ。時には北海道の札幌や旭川さえ、那覇市よりも最高気温が高い日が少なからず見受けられる。

 そう、年々、内地の夏が高温になってきたため、相対的に沖縄の夏はそれほど暑くは感じられなくなった。もちろん、涼しい、というわけではないが。

 沖縄の最高気温が32度から33度で止まり、それ以上にならないのは、沖縄が海に取り囲まれているためだ。海風が熱を飛ばしてくれる。もちろん、通年でみれば沖縄の平均気温は全国で最も高い。冬は零下にはならないし、10度を割り込むことは滅多にない。要するに温暖な気候なのである。気候面では生活がしやすい。「沖縄の夏は暑い」が、「内地の夏の暑さに比べればましな暑さ」になってきた。

 その結果、沖縄への移住者が後を絶たない。適当な職場がなく、残念ながら、定住することができずに、内地に戻ってゆく人もいるが、それを差し引いても、なお、移住人口は増えている。きちんとした職場を生み出すことができれば、確実に移住人口は増えるだろう。現在、都道府県別に人口が増えている県は、東京周辺の千葉、埼玉、神奈川、近畿ではベッドタウン化している滋賀、それと時々、福岡が人口増加県として顔を出すが、後は、沖縄である。沖縄は復帰時点で90万人程度だったが、現在は140万人弱で、仲井真知事は、200万人を目標にして産業振興策を強化しようとしている。

 自然環境の面から沖縄の生活のしやすさを感じるのは、もう一つ、「花粉症がない」という特色があるが、とりあえず、夏の最高気温で全国主要都市の中で最も低い日が何日もある、というのは、意外に知られていない。テレビの気象情報の番組をじっとみて、全国の「明日の最高気温」を確認していただきたいものである。

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