12月の沖縄振興審議会専門委員会で「教育」がテーマの一つになった。沖縄県の教育委員長でもある開梨香審議会委員から現状の発表があった。父母の離婚率が全国一、生活保護世帯率やら一人でご飯を食べる子供の率なども全国一からトップ水準という生活環境の悪い中でどのように教育を進めれば良いのか。学力テストでは主要教科の成績はどれもが全国最下位なのだそうである。この状況を打開するために、国のさまざまなサポートが要請された。
しかし、内地側の他の委員からは、国のサポート以外に、教育課題があるのではないか、さまざまな議論がなされた。内地の学力に「追いつく」というだけでは、「沖縄の教育」という特色が出ないのではないか。学力を向上させるにも、どれだけ劣っているかではなく、高校野球で春夏全国制覇、プロボクシングで世界チャンピオンを輩出している、年末の紅白歌合戦をみると沖縄出身者が並ぶ、など、強いところもたくさんある。強いところに注目して、そこを伸ばすことも必要ではないか、
今後の日本の産業界を展望すると、グローバリゼーションに適応するために、海外体験や語学習熟が重要になるが、沖縄は琉球の昔からアジア各地域に航海して国際交流の要となってきた。中国、ベトナム、タイ、フィリピン、インドネシア、マレーシアなどに体験留学させ、現地の習慣や言語を学んで沖縄に戻ってくるようにすれば、グローバルなセンスを持った人材が沖縄に集積する。日本企業がグローバル展開する拠点として沖縄を活用しようと進出し、自ずと就職率も高まるのではないか。
必ずしも内地同様の知識を身につける必要はないのではないか。
特に内地から進出してくる企業の従業員にとっては沖縄での子弟の教育が課題だ。その際に、外国語に重点を置いた問題意識をもった教育機関があれば、それは沖縄の魅力の一つになる。それを「教育特区」にまで持って行けるかどうか。もう少し議論が必要である。