沖縄ウェディングの明るい展望

沖縄ウェディングの明るい展望

 沖縄県文化観光スポーツ部の発表によると、今年上半期(1-6月)の沖縄リゾートウェディングの挙式組数は前年同期に比べて10.5%減の3541組だった。2000年代に入って始まった沖縄ウェディングは08年まで急ピッチで増加し、08年には挙式組数が9001組に達して、すぐに1万組を超すように思われた。ところがリーマンショックで失速し、09年は8046組に減少、10年はわずかに盛り返して8189組となっていた。今年も8200組を目標にしていたが、厳しい情勢である。

  ただし、これは数字面だけの話。何よりも、前年比減少の最大の原因は、東日本大震災によって挙式自体のキャンセルが相次いだことである。海外からの予約も打撃を受けた。明るい南海の浜辺で挙式するというのは、中国北部、内陸部の若者や韓国の若者にじわじわ人気が出始めているところだったが、「日本は放射能汚染」という誤解からキャンセルされたケースが多かった。

  こういう逆風の中で、10%強の減少で済んだということがむしろ救いではないか。上半期は6か月だが、そのうち3月中旬から5月の連休明けまで影響受けたのだから、実質的に2か月分は機会を失ったことになる。3分の1相当だ。それが10%減に留まったことは、今後の明るさを示しているのではないか。

  幸い、韓国では沖縄ウェディングが織り込まれたテレビドラマが人気を呼んでいる、というし、7月から週2回の北京-那覇直行便が就航するなど、中国からの挙式組も増加が期待できる。下半期以降、急回復して今年の当初見込みを達成することになれば、来年の1万組達成、という強気の予想も立てられそうだ。

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