昨年8月に東京・青山の発表会で初めて味わった伊江島で醸造した「イエラム サンタマリア」を銀座のわしたショップで見つけた。720ミリリットルで2500円。泡盛の古酒よりやや割高だが、昨年の美味を思い出してさっそく購入した。ストレートよりもカクテルだろうと、三軒茶屋の沖縄料理店「古都首里」に持ち込んで、どんなカクテルにするか、任せることにした。
沖縄はちょうどキューバと同じくらいの緯度で、キューバ同様にサトウキビとタバコを名産にしている。となれば、キューバ名産で世界的な人気を博すサトウキビ由来の「ラム酒」と「葉巻」も沖縄の名産品になるはずだ。コロムビア・ミュージック・エンターテイメントの広瀬禎彦前社長と宮古島に行ったときに、広瀬さんがサトウキビ畑と葉タバコの畑を見ながらこの「ラム酒」「葉タバコ」の企業化を構想していたが、その後、南大東島で沖縄電力の社内ベンチャーがラム酒生産に乗り出している。
後は、「葉巻」か、と思っていたが、どっこい、まだまだサトウキビを原料にラム酒に挑戦する企業が出てきた。それが伊江島の地域振興策で名乗りを挙げた「イエラム」である。一時期サトウキビから自動車燃料を、とバイオエタノールの生産実験が伊江島で行われた。実験終了後のエタノール醸造施設を譲り受けて伊江島のサトウキビで生産したのが「イエラム サンタマリア」である。
以前、この欄で記したことがあるが、伊江島はテッポウユリの群生地として有名。沖縄全島にテッポウユリは自生しているが、琉球に立ち寄ったヨーロッパの宣教師がこの花を母国に持ち帰って、聖母マリアの像に備えてから、テッポウユリは聖母マリアには欠かせない花となった。その聖母マリアとテッポウユリの伊江島との縁から、ラム酒の名前は「サンタマリア」としたそうだ。
さて、古都首里でどんなカクテルとして登場するか。楽しみである。