次期沖縄振興計画の閣議決定
2012年02月13日
10日の閣議で「沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案(沖振法)」が承認されて、12年4月以降も沖縄振興計画が推進されることになった。筆者も沖縄振興計画の専門委員として参画して、これまでの振興計画の成果を評価し、次期計画の方向性を議論するのに参加したが、ますます、その重要性を感じている。与野党の対決案件ではないので、内容そのものには成立に問題はない。国会が荒れて審議が止まったりしなければ、年度内に成立、4月から施行になる。
ただ、その議論の間にも、世界経済は激変し、沖縄を取り巻く諸条件も大きく変化しつつある。言うまでもなく、世界経済は100年来の欧米にけん引された構造が崩れ、欧米の衰退、アジアの成長によって大きく地図が塗り替えられつつある。新たに、アジアが日本経済を引っ張るエンジンとなり、そのアジアの中心部に最も近い沖縄が玄関口として機能を果たさなければならない。「沖縄振興」は単に「沖縄」の振興だけではなく、「日本経済」の振興のために沖縄をどのように活用するか。大きく視点を移してゆかなければならない。
しかし、昨年7月にまとめた次期沖縄振興計画案は、議論を始めた出発点の時期の問題意識だった「沖縄」の「振興」にまだ重点が置かれているように思う。激動の時代の「10年計画」は、固定的なものではなく、柔軟に状況の変化に合わせて改変を進めてゆかなければならない。次の10年は「沖縄の振興」を日本が後押しするのではなく、「日本の振興」を「沖縄」が後押しをする番である。そのために日本政府は沖縄の基盤強化に一緒に取り組むべきである。