沖縄県の観光業界がトップの言動をめぐって大きく揺れている。各種の観光団体の連合体である「沖縄コンベンションビューロー」の会長を巡っての騒動である。昨年夏に就任した40代前半の若い新会長が、就任早々、自分の経営する企業グループに事業を発注してその金額が予算の1割に及んでいるとして、県議会で追及を受けた。新会長は「発注先の選考は委員会で行っていて、発注業務には自身では一切タッチしていない」と公明正大で違法性はないことを強調しているが、前年までは受注実績がなかったのが、一気に1割の実績を獲得するというのは、常識的に言って不明朗、疑惑をもたれるのも当然で、弁明の余地はない。
しかし、新会長は強気で反論して、「次年度以降は受注しない」と表明して一件落着したか、と思われたが、事態は新会長のFaceBookへの書き込みによって一気に悪化、別の形に爆発した。
新会長はFaceBookで下記のような書き込みをした。
「沖縄の皆さん、お騒がせの〇〇〇です。(^-^)v OCVB(沖縄観光コンベンションビューロー)の会長に就任して8ヶ月経ちまして、(中略)様々な改革に取り組んできました。しかし。。その反動と恐怖心&大幅についた次年度の予算欲しさに。。年明けから、奇妙な動きが始まった。
変化を恐れる臆病な輩&名誉欲だけで、この会長職に憧れていた輩の嫉妬や妬み&白蟻の如く観光行政に住み着いていた寄生虫達が徒党を組んで、俺を攻撃するために怪文書を作成して、走り回っているらしい。(笑) そして悲しいことに。。その本質を理解しないまま、昨日開催された沖縄県議会の予算委員会で。。そいつらの主張を鵜呑みし、彼等に利用された議員さんが、法的にも根拠の無い指摘を繰り返したと新聞が報じた(後略)」
こうした一連の動きの中で副会長を務めてきた東良知氏(沖縄ツーリスト社長)、平良朝敬氏(かりゆしグループCEO)は、会長の言動や振る舞いを問題視した上、「正常化へ向けて提言を続けてきたが受け入れられず、今後も安里会長の下では適正な運営ができない」「信頼できない会長を補佐する副会長職を続けられない」相次いで辞任した。ただし、理事として会長の動向を監視するためか理事には留まる、というので、第2ラウンドはすぐに開始されそうだ。
しかし、それにしても、FaceBookで他人を誹謗中傷する、または名誉棄損に当たる内容を書き込むとは、基本的な知識やマナーがなっていない。こういう人を組織の長に持つのは、組織にとっては大きな不幸である。沖縄は観光が最大の産業。適正な修整バネが働くことを願いたい。