沖縄が全国で1番にランクされる事柄がいくつもある。年間の最高気温とか亜熱帯に属することがらは当然として、社会的事象では、余り良くないことを先に記すと、離婚率の日本一、失業率の日本一、というのがビジネスに直接関連する「日本一」である。しかしこれは、「良くない」とは断定できないかもしれない。失業率が高いということが、より優秀な人材を獲得しやすい条件を提供する可能性があるし、離婚率が高いことによって、女性の人材が家庭に閉じ込められない機会を作り出すかもしれない。
7月上旬に帝国データバンク沖縄支店が発表した「企業の年齢」についての情報も、沖縄経済にとって良いデータか、良くないデータか、解釈は分かれるかもしれない。
同支店によると、企業の設立年から現在までの経過年数を「満年齢」として計算すると2011年の沖縄県内の「企業年齢」の平均は、20・7歳で同様に計算した全国各県の中で最も若い結果となった。全国平均より7・3歳も若い。ただ、沖縄県の企業年齢の平均は01年当時の平均年齢に比べて2・0歳増加、前年比でも0・2歳増加している。
理由は何か。同支店では、米国の施政権下にあったという沖縄の特殊事情を指摘している。沖縄県では1972年の本土復帰以前は経済活動が低調で、創業30年以上の企業が少ない。沖縄の経済がかつて低調だったというわけだ。その一方で、総事業所に対する開業の割合を示した開業率が06~09年は3・5%(全国平均2・0%)と全国一である。これは最近の沖縄経済が活性化していることを示している。帝国データ沖縄支店は、どちらかというと、過去に低調だったために古い企業が少ない、ということに理由の主眼を置いているようなニュアンスが感じられるが、ここは素直に、開業率が高いことが企業の平均年齢の若さを維持している、と未来に向けて驀進する沖縄の特質を評価しておこう。