かつてほどはロシア選手の活躍が目につかなくなった。代わって中国である。アジアでは韓国も強い。冬季五輪ではドイツもメダルをたくさん獲得する。アメリカも夏は抜群で、冬は多少、苦戦はしているが、それでもトップグループにはいる。やはり、経済力とメダルの数は比例するのか。翻って日本の戦績は? とみると、経済力の割には、五輪の成績は良くない。マスメディアが期待するほど、バンクーバー五輪は日本にメダルをもたらさなかった。
五輪強化費も、新政権の「仕分け」のターゲットになった。元々、日本人はスポーツに向いていないのか、と疑ってみたくもなる。お家芸のはずの柔道も金メダルを取るのは簡単ではなくなった。五輪種目ではないが、国技のはずの相撲でも、日本人の横綱はしばらく出ていない。幕内上位の力士はモンゴルをはじめとした外国勢ばかりが目立つ。おひざ元の競技でもこうなのだから、世界的に競技者が広がっているスポーツで日本人が金メダルを取れなくても不思議ではない。
もちろん、得意がないわけではない。持久力が決め手のマラソンはこのところ強くなった。ことに女子マラソンである。かつては男子マラソンもメダルを争った。体操も一時は強かった。スキーのジャンプも得意絶頂の時があった。フィギュアスケートもレベルが上がった。どうも全部が駄目というわけではない。
こうしてみると、一貫した傾向があるわけではなさそうだ。ただ、マラソンが強くなったのは「駅伝人気」と関係がありそうだ。新年恒例の東京箱根駅伝をはじめとして、高校、実業団、都道府県対抗と、あらゆる層で駅伝が盛んである。テレビもヒーローを追い求めて駅伝を中継する。それがマラソンのすそ野を広げて実力を底上げしているらしい。この伝に倣えば、方策はひとつ。マスメディアと共同で、スターシステムを作り、人気スポーツを盛り上げる戦略を作ること。現在のように、五輪の前になると、あたかもだれでもがメダルを取れそうな幻想をふりまくのではなく、地方大会のような基礎からテレビ中継をして組織的に強化種目の底上げを図る。マスメディアも、人気が出た選手にちゃっかり軽薄な相乗りをするのではなく、じっくりと選手育成に共同戦線を張ってはいかがか。