弁護士~~憧れの職業だが・・・
2011年05月23日
高校の文学サークルの1年後輩の女生徒がその後、私学の文学部に進学したかと思っていたのだが、気が付けば労働者の権利を守る弁護士となって活躍。しばらくして、参議院議員となった。弁護士とは使命感に満ちた職業。刻苦勉励、それも、使命感と情熱があればこそ頑張れるものである。労働争議にからむ解雇や処分などのトラブルを担当する弁護士は収入などは2の次なのであろうか。
それが一つの側面なら、もう一つの面は、企業の法務相談などで、能力次第では相当の高給を得られる職業でもある。10年ほど前に中国との経済交流が急速に伸び始めたころ、一斉に中国ビジネスの乗り出した企業の法務相談に乗っていた知人の弁護士は年間億円単位の収入を得て、六本木の億ションに居住していた。その当時、中国案件に限らず、国際弁護士は引っ張りだこだった。
弁護士というのは、その人の生き方によって様々な姿をもっているようだ。
離婚、相続、金融・不動産などの取引をめぐる交渉など、身近なところにも相談したい法律案件は数多い。米国のような訴訟社会では何でも弁護士に依頼して法廷闘争に持ち込むので、「訴える」ということに抵抗感は少ないかもしれない。しかし、どうも日本社会では裁判所に判断を持ち込むというのはどうもなじめない。もっと一般国民になじんでもらう狙いがあって「裁判員制度」を制定したわけだが、一般国民は裁判員制度にも抵抗感をぬぐえない人も多い。
今回の取材で、その弁護士の収入が平均的に低下傾向にあるということがよく分かった。その分だけ、社会正義の実現などの、「収入より使命感」という弁護士が増えてきたということなのだろうか。個別にはいろいろなケースがあるだろうが、しばらくは注目してみていたい。