「ガイアの夜明け」が10年前にスタートしたころから、日本経済復活のカギを握っていたのが中国である。一般には、日本にとって当時の中国の価値は、安い労働資源を提供してくれる「生産基地」としてだったのだが、ガイアの夜明けでは生産拠点としてだけでなく、ラーメンチェーンやコンビニ、流通業界の中国進出など、「市場」としての中国にも注目してきた。
「自動車」は輸出向けの生産基地としての性格と、需要地である市場の中で生産する最前線生産拠点の性格と両方の意味合いから出発したが、この10年でどんどん「耐久消費財市場」としての性格を色濃くした。工場の従事者も、産業振興を旗印にした使命感に満ちた雰囲気から、豊かになって来た生活を支えるための勤労、という余裕が見え始めている。この従業員たちが、購買力をもった消費者へと成長してきたのである。10年で中国経済も成長し、工場労働者もまた着実に成長したのである。
その転換点になったのは2008年9月のリーマンショックだった。
先進国の間では「世界同時大不況が到来する」と戦々恐々とする中で、中国政府は経済刺激策を大胆に打ち出して消費を拡大し、先進国とは逆に力強い経済成長を維持したのである。この中国を大消費地域にして、台湾、フィリピン、インドネシアなどの周辺アジア諸国・地域も高成長を続けた。中国が輸入大国に変身を遂げた。
すでにGDP(国内総生産)では日本を追い抜いて、米国に次ぐ世界第2位の経済大国へと成長した。自動車の国内販売でも、世界最大の需要国になって、生産でも世界トップに躍り出ている。世界経済成長のエンジンとして、長い不況のトンネルに入り込んだ先進国の代わりに成長力を維持してけん引している。
10年、経済の盛衰を描くには、確かに十分な時間だ。目を転じて、次の10年で、日本経済は復興を遂げることはできるのか。