「いまさら開き直られても承服できない」――1点張りの主張

「いまさら開き直られても承服できない」――1点張りの主張

 筆者の僻みか、いろいろ説明されても、どうにも頭に入らない。

 後10年もすると65歳以上の高齢者が1000万人も増加し、一方、働き手の労働年代が1000万人減少して・・・・何年後に何人増えるのだったか、減るのか、いくら聞いても眉唾なので、上記の数字は報道されている数値かどうか自信がないが最近、よく流れる数字である。どうせ、ここで正確に知っていても意味はない。

 そんなことは20年前には分かっていたことだ、と筆者は思う。出生率の減少、長寿化の傾向。だからこそ年金の仕組みを作り、せっせと年金を積み立ててきたはずである。確かに、現役世代が納めるお金で退役世代を養うのが原則、と言っていたのは聞いていたが、退役世代に支給するのでは余るので、無駄にあちこち保養所やらなにやら建設して、土地を高値で購入し、妥当かどうか今では検証しようのない金額で工事を発注して、資産を散逸(雲散霧消)させることまでは承認した覚えはない。まさか、支払ったお金はあなたが積み立てたわけではなく、「その時々に使ってしまいましたので、財布は空です」と告知するための布石だとは思わなかった。
 
 退役世代が少ないときにはきちんと蓄財しているのが当然で、その当然のことをやって来なかったから、現役世代ではまかないきれないことになっているだけではないのか。今になって、現役世代の負担だけでは間に合わないので消費税を上げて不足を補います、と言ったって、素直に信じられません。これまでのその場しのぎの説明が後になって嘘だったことが判明することが何度も重なっているような気がする。今度だけは本当です、と言っても、そう簡単に騙されてなるものか、と考えるのは筆者一人ではないだろう。

 われわれ団塊世代が働き盛りに支払った年金資産はいったいどこに消えたのか。その収支報告をきちんとやって、責任を明確にしてもらわなければ、次の議論には進めない。
 
 コンピューターでデータ管理したから年金記録がどこに行ったか分からない、だの、コンピューターへの入力ミスが原因で記録が消えた、などと、責任転嫁の嘘で逃げ切ろうとしてきた、と思われる年金関係の行政担当者がここに来て何を言おうと、その言をまともに信じられるわけがない。このまま消費税アップで不足を補うということで済まされては、責任も、実態もうやむやになる。本当はどこかの国に隠してある、というとんでもない隠れシナリオだってあるかもしれない。年金行政マンの言うことを簡単に信じては、また騙されるだけなのではないか、と不安がよぎる。

 われわれのとるべき態度は一つ。「いまさら開き直られても承服できない」。この一点張りである。約束違反をするなら、支払ったものを返してください、というのみだ。

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