熱闘の高校野球と北京オリンピックで夏季休暇はつぶれてしまいそうだが、この平和な戦いのニュースに隠れがちだが、ロシア、アフガニスタンを中心に新たな戦雲が広がりつつある。ロシアのグルジアへの介入とアフガニスタンでのタリバン勢力の反抗である。高校野球、オリンピック終幕の後は、東ヨー
ロッパ、西アジアの火薬庫の動静に注目しなければならなくなるかもしれない。特にグルジアの戦乱は米ロの対決という緊張をはらんでいる。イラク、イラン、北朝鮮と未解決の緊張要因が横たわる上に、さらに難題が加わることになる。
今年の秋は世界の経済は試練の時期に入る。石油高騰、穀物高騰、鉄鋼高騰などの波紋は物価高、消費の冷え込みとして急速に経済構造をゆがませることになるだろう。鉄鋼の根上がりで採算の取れなくなったマンション業界、販売価格に上乗せすればたちまち購入意欲はぱったりと途絶え、昨年とは様変わりの不動産不況が始まっている。ガソリン、食品、石油化学製品などの値上がりで消費者物価は確実に騰勢を強めている。ガソリンの高騰で輸送経費が増大しているのだから、価格に転嫁せざるを得ない。これはすべての分野に波及する一般的要因である。穀物、食材費の値上がりで家計が圧迫されて、消費の冷え込みは一段と深刻になるだろう。
これまでの延長線上でのビジネスモデルは成り立ちにくくなる。
一例を挙げれば、消費者の姿勢の転換で、市場は変質する。
100円ショップがまた、人気を集めるだろう。大手メーカーも販売ルートとして100円ショップなどの新興流通を無視するわけには行かなくなる。中堅・中小メーカーの生き残りのフィールドだった分野が激戦の市場に変貌する。
ソフトウェア開発の現場も従来の勢いは期待できない。新しい顧客の開拓、独自の技術を磨いて激戦の市場から付加価値の高い市場にいち早くビジネスをシフトしなければならない。「生き残りの秋」をどのように切り抜けるか。並ではない覚悟が必要のように思う。