「JASPA発」で全国普及を

「JASPA発」で全国普及を

 JASPAの地域活性委員会が参画して07年度事業として行われたモデル事業の全国レベルの説明会が3月4日札幌、5日東京でそれぞれ開催される。このモデル事業は「地域活性型先導的情報通信産業モデル実証事業」という、政府の事業らしく、漢字ばかりが並ぶいかめしい名称だが、javaを使って浦添市の市民の健康管理システムを開発し、その際に蓄積した部品ソフトを他のシステムの開発にも利用できるように公開する、というものである。新しいビジネス機会を求めるソフト企業にはぜひ参加してもらいたい。

 この開発の中心になったのはJASPAのメンバーである沖縄県ソフトウェア事業協同組合の副理事長会社、おきぎんエス・ピー・オーである。この開発成果は、「沖縄ソフトウェア・オフショアセンター」を設立して開示される計画で、その実施主体もおきぎんエス・ピー・オーになる。下請け中心のソフト開発業態から、より高度な上流工程を含むソフト開発業態に移行するための技術開発・ビジネスモデルとして開発した。

 米国発の経済危機で、世界の主要諸国はこれまでの発展の勢いに急ブレーキがかかっている。特に中国やインドなど、情報サービス産業の最先端に飛び出た国の将来も従来のビジネスモデルをそのまま継続できるかどうかはよく分からない。未曾有の危機は、これまでのビジネスモデルが別のモデルへ転回するための踊り場になるかもしれない。トップランナーほど打撃は大きくて立ち直りに時間がかかるかもしれない。その間に、後方を走っていたランナーが先頭グループに追い付く可能性はある。追い抜かないまでも、追いつくことで体力を蓄えることができるだろう。

 地域活性型モデルは、オープン系の部品モデルを基本に置いた仕組みである。その内容を理解することで、次の時代のソフトウェアビジネスに様々なヒントを得られるに違いない。この危機を通り過ぎた後には、情報サービス産業の風景ががらりと変わっているかもしれない。「ゼロリセット」とは言わないまでも、新しいタイプのサービスビジネスがあちこちに芽を吹くかもしれない。今は、どのような風景が来るか、新しいモデルに挑戦してみる時期ではないか。

 なお、説明会はいずれも内閣府沖縄総合事務局の主催で、定員50名。参加料は無料。札幌は平成21年3月4日(水)14:00~16:30、TKP札幌ビジネスセンターANNEX 会議室A(北海道札幌市中央区北一条西3-2 井門札幌ビル8階)で、東京は平成21年3月5日(木)14:00~16:30、CTC霞が関本社 セミナールーム(東京都千代田区霞が関3丁目2番5号 霞が関ビル20F)で。

【問い合わせ先、参加申込先】
(株)おきぎんエス・ピー・オー 営業部 砂辺(すなべ)、渡眞利(とまり)
電 話:098-878-0680 FAX:098-874-8074 e-mail:semi@ospo.co.jp

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