沖縄に小・中学一貫のインターナショナルスクールの建設計画が進んでいる。元沖縄県副知事の尚弘子琉球大学名誉教授が顧問をしている沖縄国際学園設立準備財団が計画を進めている。沖縄には科学技術研究大学院の設立構想が進んでおり、すでに世界的な研究者が家族ぐるみで沖縄に集結しつつある。問題は幼い子供たちの教育である。今のところ、近隣の学校に通わせているようだが、ノーベル賞級の国際的な研究者を招へいするには、やはり英語を基本に教育するインターナショナルスクールが必要である。
学校を開く候補の用地は、大学院の開設予定地である恩納村の近くのうるま市の丘陵地帯で、筆者も関係した「IT津梁パーク」にも近い。
この計画は正直に言って、漠然としか、知らなかった。IT津梁パーク計画の検討の際に、安田浩委員から、津梁パークに進出した企業の子弟が、高度な教育を受ける機会があるなど、学校の誘致が必要だ、と主張したのに対して、インターナショナルスクールの計画は、その回答の一つである。ノーベル賞級の研究者たちの子弟と学べる英語主体の学校があるなら、子弟の教育のために、勤務地を沖縄に希望してくる研究者、技術者も少なくないだろう。
おそらく、教育熱心なアジアの各地からも子弟の勉学の地として沖縄を選ぶ動きも出てくるだろう。沖縄の価値がまた増える。研究大学院とIT産業振興計画が、インターナショナルスクールの設立によって有機的に結びつくのではないか。いよいよ日本のIT産業のメッカとして沖縄の存在が光りだす。
ただし、問題は資金である。
敷地はうるま市が多少は安く提供してくれるようだが、校舎の建設費の15億円は沖縄県が寄付を募って集めるという。アジアのセンターに成長してゆくことが予想される沖縄にいずれは事業拠点を、と考えている企業には、ぜひ、この建設に協力してもらいたい。美ら島(ちゅらしま)沖縄大使である筆者の願いである。