東海大地震への備えを急げ

東海大地震への備えを急げ

 11日の早朝、横浜の自宅は地震の大きな揺れに見舞われた。翌朝、震度5の強震を記録した静岡県掛川市に住む親戚の死亡の知らせが届いた。病を得て自宅療養中のところ、地震の直後から容態が急変してしまったそうである。すでに寿命が尽きたところにショックがあったので、直接の原因は地震によるものではないが、大勢の孫や家族、地域の活動の心強い多数の仲間たちに送られた葬儀に出席した筆者の思いは、個人的な交友の場面を思い出す悲しみとこれだけ多くの人に囲まれた幸福な人生を羨む気持ちと半々であった。

 というのは、東海大地震のリスクが年々、高まっているからだ。今回の地震でも東名高速道路の地盤が崩れたが、エネルギーが数百倍と推定される東海大地震が発生したら、高速道路を疾走中の自動車はどういうことになるだろう。新幹線は、鉄道は、と、走行中に襲われたらどうなるだろうか、想像しただけで慄然とする。

 東海地区はかねて大震災の危険を想定して、防災対策もできる限りの対策を施されてきたので、家屋の補強、橋脚や中・高層ビルの対応などはそれなりに頑張っていると思うが、災害には事前の想定にはなかった突発事故を伴うものである。われわれが、十分な葬式で弔ってもらえる状況を確保できるか。もしかすると大変な地獄絵図を見ることになるかもしれない。明日まで生きたことが幸せなことかどうか。

 直接的な被害は、もちろん、大変で、想定できることの対策を講じなければならないが、それと並んで重要なのは、間接的な被害をいかに減らすか。特にわれわれの責任分野でいえば、社会の血液となった「情報」を途切れさせるこ
となく、どのように維持するかである。情報システムによる「ビジネス・コンティニュイティ・プラン」を準備して、いかに企業自身の製品・サービスの供給責任を果たすか。そのための情報システムのバックアップ、「ディザスター・リカバリー」の仕組み作りを急がなければなるまい。

 今回の地震を見ながら、一段と、東海大地震への備えの重要性を実感した次第である。

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