新政権のIT政策はどこに行くのか
2009年12月16日
どうも民主党、新政権の腰が定まっていない。ITの政策の方向は今のところ視界不良である。自民党政権時代にも、政府がITに関心を失ったように見える時期があった。小泉首相時代の一時期、IT戦略本部は機能していたものの、小泉首相の発言や行動の中に、ITは希薄だった。現内閣にも、その雰囲気があるのではないか。
先日、首都圏ソフトウェア協同組合の横尾良明最高顧問(JASPA専務理事)、真杉幸市、船橋千鶴子両理事らとともに、新政権のIT政策を担当するという経済産業省の高橋千秋大臣政務官の元を訪ねた。IT業界については、「業界については友人もいるし、ある程度知っているつもりだ」ということだったが、話を交わすうちに、失礼ながら、まだ、知識は豊富ではなく、「これから勉強する」という段階ではないか、と思えた。
経済産業省のカバー範囲は広い。それを大臣、2人の副大臣、2人の政務官で担当するというのだから、業界の知識を十分に持ってほしいと望む方が無理な注文かもしれない。しかし、それならば、無理でないように政務官を増員するか、担当の情報処理振興課の幹部をもっと活用してほしい。人員不足なので十分に業界について知識も得られないし、政策も打ち出せないというのでは、業界としては政治不信に陥らざるを得ない。
ただ、その分だけ、横尾最高顧問がかねて主張してきた「IT産業基準法」を提案する価値がある。先入観なく、合理的な精神で、あるべきIT産業の姿への真摯な提案を検討してくれる余地があるかもしれない。粘り強く、組合の主張を訴えて、永年の懸案の実現に取り組むことが必要だと、実感している次第で
ある。