久々に明るいニュース~~大深度地下からの生還
2010年10月16日
今回の33人の生還のニュースは暗いニュースばかりの中で、久々に皆で安心して話題にできるものとなった。最初に落盤事故が起きた鉱山の中に「生存者がいる」と伝わってきたときには「本当か?」という驚きがあった。次に、600メートル以上の大深度から本当に救出できるのか、とスリリングな話題に変わった。しかも、地上から救出用の穴を掘って行って、早くとも救出はクリスマス頃、と予想されて、そこまで閉じ込められた作業員が耐えられるのか、と心配もした。
しかし、これだけ世界中が注目している事故だから、各国、企業からは最新の救出関連の技術や施設が提供されるに違いない。期間は短縮するだろう、というのは大方の推定。その通りになった。機材を提供した企業にとっては絶好の宣伝の機会である。この救出作業の背後にも当然、情報通信技術が駆使されたが、これはもはや当然でニュースにもなるまい。むしろ、完全に救出後は、安心して、この69日間を酒の肴の種に面白おかしく議論する楽しみもできた。
作業員の愛人問題の話題であるが、33人の作業員のうち、4-5人はこの問題があったらしいから、1割以上。さすがにおおらかな国だと感心するやら、「隠していたことがどんなことがきっかけで露見するか分からない」と冷やりとしたご仁もあるかもしれない。救出順序も最初か最後しか目立たないので、争いは激しかったろうな、と想像して人間心理を眺めまわす機会にもなった。
しかし、しばらくの間、落盤事故を起こした鉱山管理が不十分だった問題は忘れられていたが、これからはその責任問題や、そうした事故を想定して避難施設を作ってあった、というリスク管理では半ば成功したことなどが分析される時期になるだろう。
いろいろな教訓を含んだニュースだった。