尖閣映像情報流出問題~~何を隠そうとしたのか

尖閣映像情報流出問題~~何を隠そうとしたのか

 海上保安庁の保安官による、尖閣諸島での中国船、海保船舶への衝突・攻撃映像の流出問題はどうにも歯切れが悪い。政府は一体、何を隠そうとして、この映像を非公開としたのか。ユーチューブの内容を見る限り、「中国船が衝突してきた」という政府の主張を裏付ける映像ではないか。何を隠そうとしているのか。ユーチューブに流出した映像には映っていない部分に問題があるのだという推測もあるが、それなら、今回ユーチューブに流れた部分だけでも最初から公開すれば良かったではないか、と思ってしまう。

 逆に、拘束していた船長を釈放したことの不当性が明らかになってしまう、という心配があったのではないか、という指摘もある。それなら、最初から、中国船に違法行為があったので船長を拘束した、などと言うべきではなかった。どうにも「ちぐはぐ」である。

 こんな「ちぐはぐ」をしておいて、映像情報流出の保安官を罪に問うことは無理だろう。一連の流れをみていると、やはり、船長の「釈放」に無理があった。そこから次々としわが寄って、あちこちに矛盾が現れてしまったのではないか。

 企業経営でも同様だ。どこかで無理をすると、その波紋は次々に広がって、対策が届かないところまで問題が複雑になってしまう。初期の対応を誤ると、事が面倒になるという典型例かもしれない。肝に銘ずべきであろう。

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