11日から13日まで東京・ビックサイトで開催されたクラウドコンピューティングEXPOに行ってみた。実に多彩なサービスの展示で、短時間では回りきれなかった。同時に組み込みソフトやオフィス等々、並行して開催されていたが、残念ながら、クラウドだけでも回りきれないので、心残りだったが、ほかは立ち寄らなかった。
SaaSが業界で理解できたのは、ここ3、4年のことである。それがクラウドという概念の一部としてさらに理解が進んだのは、それから1年後、わずか2、3年前と言える。まだ、ベンダー側にも、ユーザー側にもクラウド、SaaS、ASPなどの区別が分かりにくいと感じている人が多いが、いずれASPはSaaSへと移行してゆくのは間違いないし、利用しているうちに、SaaSもクラウドの中の一部として実態的に理解が進むだろう。定義を言い
立てて厳密に区別をすること自体には意味がない。
むしろ、インターネットに開示されているソフトウェアを柔軟に連結させながら、手元の端末に欲しい情報やして欲しい仕事をさせて結果を表示させる、という新しい情報システムの利用スタイルが定着することに意味がある。クラウドと表裏一体で、クラウドを手軽に利用できる端末としてスマートフォンやタブレット型端末が爆発的に普及するのも、情報利用スタイルの大きな変化の潮流を表すものである。
情報処理産業は、システムを提供するベンダーのビジネスモデルの大きな変化に揺さぶられ、ユーザーの情報利用スタイルの変化に、また、大きく揺さぶられる。その変化につれて情報処理システム開発の業務需要は次々と発生するのは間違いない。ただ、そのシステム開発需要は従来とは同じものではない。新しい需要に応じられるように新技術の潮流をつかむことが不可欠である。メッサもそうした技術の動向を追い、その研修も準備しなければならない。眞杉幸市理事を委員長にメッサカレッジ推進委員会が活動を開始した。その成果に期待したい。雨の中のEXPO訪問の後、そんなことを感じた。