日本の国民性の特長の一つは「もったいない精神」で、これは物を大切にし、地球環境を大切にする価値観とマッチして大いに面目を施したが、ここにきてもう一つ「あきらめない精神」が日本の国民性の優れた特長として浸透してきた。
女子サッカーの「なでしこチーム」の奇跡的な逆転優勝がその自覚のきっかけだったが、夏の高校野球を見ていて、「あきらめない」は立派に生きていることを実感している。13日の八幡商と帝京のゲームは9回1アウト走者なしまで進み、帝京の勝利は間違いないと思っていたら、そこから粘り強くランナーを出し、エラーも絡んでついに満塁本塁打が出て逆転勝ち。こんなこともあるかと舌を巻いた。
翌14日も激闘が続いた。白樺学園と智弁和歌山は5対1でリードされていた白樺学園が7回に4点を挙げて同点、8回に1点を挙げてついに逆転。しかし、智弁和歌山はその裏に同点に追いついて、ついに延長に。10回表に白樺学園が1点を挙げて決着がついたかと思いきや、その裏、智弁和歌山は2点を挙げてまさかの逆転サヨナラで勝った。その後の開星と日大三もすごかった。開星は4回まで5対0とワンサイドでリードされていたが5回表に4点を挙げて追い上げ、6回には2点を追加してついに逆転、流れは開星に完全に傾いたかと思った。しかし、その裏、日大三は一挙に6点を挙げて11対6.勝負ありと思うのは観客だけで、開星は8回に2点と追い上げ、9回も2人のランナーを出して本塁打1本で同点の可能性もある緊張の場面で、何とか、疲労困憊のエースが投げ切って日大三が勝利をものにした。
大量リードされてもあきらめずに追いつく。逆転されても必死に再逆転する。「あきらめない精神」には感動した。日本はまだ大丈夫。わが社は大丈夫。いつまでも、あきらめないことが肝心である。