沖縄のIT津梁パークの中に「組み込みソフトのテスティングセンターを誘致する」という考え方は昨年秋くらいから進んでいたが、夏以降、その第一弾として「アンドロイド」に照準を合わせたテスティングセンターの開設が本格化している。今月28日午後には東京・浜松町の会議場「AP浜松町」で、沖縄に本拠を置くアンドロイドテスティング協議会主催、沖縄県など共催で、「高度情報通信テスティングセミナー」(http://www.okinawa-itpark.jp/contents/info/000503_1.html)が開催される。筆者も特別講演でインターネットをベースにした情報社会について出演する。
スマートフォン、タブレット型端末、さらには自動車、家電製品と、アンドロイドを利用する機械の対象は急拡大している。ウィンドウズも、スマートフォン、家電と対象領域を増やしているが、最初からさまざまな対象領域を考えて技術を開放しているアンドロイドの方に若干の優位があるように見える。ここ数か月のうちに、各業界のメーンのメーカーをそこまで取り込めるかで、業界標準が決まって行くような気がするが、各メーカーとも水面下でしばらくは動くので、最終的にどこが主流になるかが明確になるにはまだ、数年を要するかもしれない。
これまでのIT産業の歴史を振り返れば、一定期間はいくつかの規格が並走してゆく。どれかに画一的になるには時間がかかる。その分だけ、どの規格でソフトウェア開発に取り組むにしても、それなりにビジネスチャンスはあるということだ。
オフショア開発に奪われて日本のソフトウェア産業の仕事が減少した、と後ろ向きに考えていても事態は打開できない。新しい需要はどこに向かっているか、技術はどこに向かっているか、そうした流れを読みながら、準備してゆく以外にない。アンドロイド社会がどの程度の需要を生むかはまだ正確にはイメージはできないが、とりあえず注目して置かなければならないだろう。