首都圏ソフトウェア協同組合の顧問も務めている石井一二元外務次官がリードする一般社団法人 日本個人情報管理協会(JAPICO)の事業が今年に入って順調に滑り出している。1月25日に初の「個人情報保護セミナー」を、東京と沖縄の2か所で開催し、泉岳寺の組合会議室で開催したセミナーは約50人、沖縄県産業支援センターで開催した沖縄セミナーは約60人が参加し、JAPICOマーク取得に関心をもつ多くの参加者がセミナー後も講師に熱心に詳細な質問する姿が目立った。
JAPICOマークはPマークと同等のJISQ15001に則った個人情報保護の第三者認証制度である。昨年8月に日本個人情報管理協会が第三者認証機関として経済産業省から認可され、セミナーの前日には「(経済産業省案件の入札資格の表現では)プライバシーマークとJAPICOマークを対等に扱い、“事業者としてJIS規格にもとづいた第三者認証を受けていること”の表現になる」との経済産業省中小企業庁の担当から通知を受けている。他の省でも入札条件ではJAPICOマークも公認され、民間の受注でも、Pマーク同等の取り扱いを要請できることになろう。
今回、セミナー参加者が注目したのはJAPICOマークの認証取得だけではない。「個人情報管理士」という個人資格にも質問が相次いだ。企業の個人情報保護システムの運用責任者に必要な知識をもつ「上級個人情報管理士」と社会人、ビジネスマンとして活動する上に十分な個人情報保護知識をもち、職場でのリーダーになることができる「(一般)個人情報管理士」の2種類を現在、準備している。その第一回の「上級管理士」の講義・試験が2月10日に東京で、17日に大阪で開催され、沖縄では「(一般)個人情報管理士」の試験が2月25日に行われる。
JAPICOマークは中堅、中小企業を主対象に、Pマークと同水準の質を保ちながら、より取得しやすい工夫を凝らしたものだ。個人情報保護法成立時には第三者認証制度がPマークしかなかったため、Pマークだけが認証制度と錯覚していたが、保護法制定時の委員だった法律学者に聞くと、「最初から複数の認証機関、複数のマークが登場することを期待している」と第三者認証機関が新たに登場することを望んでいることが分かった。そこで石井一二顧問が中心になって新組織の設立運動を進めて、ここまでこぎ着けた。さらに発展させるために、組合としても支援を強めてゆきたい。