今年春、LED電球を大量に買い込んで家の中のほとんどの白熱電球を取り換えた。量販店で1個1000数百円台まで値下がりしていたので思い切って交換したのである。地球環境対応、電力不足対応の「節電」への協力、と表向きはきれいごとだが、内心は、ここまで下がれば4、5年の期間で考えれば購入経費を上回る電気料金の節減が図れる、とそろばんを弾いた結果だった。
しかし、先日、エアコンの稼働を減らすために扇風機を購入しに量販店に出向いたら、なんと、数か月前に購入した同様のLED電球が600円台まで下がっている。半分以下である。春先には「4、5年で元を取り戻せる」と考えていたが、今の価格なら2年で十分である。電気料金が上がったので、その期間はさらに短縮されることになるだろう。
「エコポイント」によって、エアコン、液晶テレビ、冷蔵庫、洗濯機など電力多消費型の家電製品は、省電の改善をした製品へと随分、買い換えられた。その上に電球が節電型へと急速に切り換えられる。となれば、昨年と同様の高温が来ても、電力消費は相当に減少しているはずである。電力会社は今年の夏の電力消費予想で、こういう要因を加味して数値を組み立てたのだろうか? このところの、電力会社の「都合の悪いところは隠して、強引に『我田引水』の主張を展開する」という姿勢をみると、とてもこの数年間の節電努力を考慮したとは思えない。
こうしてユーザー側で電力消費節約の努力を続ければ、電気料金の高騰をかなり緩和できるのではないか。昨日のままの電力多消費型の設備では電気料金の高騰は打撃だが、節電型の設備を工夫してゆく姿勢がユーザー側にも求められるだろう。電気料金の高騰は消費を抑制するという選択をユーザーに起こさせる。それも「ガマン」ではなく、効率的な最新設備の導入という選択肢もある。原発を再稼働させるより、そのほうが遥かに社会にも、人類にプラスである。