14日、突然の大雪だった。翌15日早朝、成田から海外に飛び立つ知人を、最寄りの田園都市線たまプラーザ駅まで送った。たまプラーザ駅からは、成田空港直行のリムジンバスが出ていて、2時間ほど睡眠をとりながら移動できる、はずだった。
しかし、高速道路が凍結のために、バスの運行休止を係員から伝えられた。インターネットが威力を発揮するのはこの時である。鉄道は運行しているというので、ただちに、経路検索サービスで成田までのルートと時間を探ると、出てくる、出てくる、実に多様なルートがある。京成スカイライナーを利用するには、上野乗り換え、日暮里乗り換えなど複数候補があって、上野や日暮里への行き方も大井町経由、渋谷乗り換え、表参道乗り換えなど、実にたくさんの組み合わせがある。
さらにJRの成田エクスプレスの利用となると、横浜乗り換え、武蔵小杉乗り換え、渋谷乗り換え等々、これもまた、たくさんのルートがある。もう一つ、京急~京成経由もある。どこか途中で京急に乗り換えても特急で、成田空港まで短時間で運んでくれる。
成田到着時刻も、それほど変わらない。リムジンバスは定刻だと2時間だが、これらの電車を使ったとしても、2時間そこそこ。うまく行くと、バスよりも短時間で行けるルートもあった。もちろん、出発から到着まで着席できるバスの方がずっと楽だが。
ということで、無事に、遅刻もせずに悠々と成田に着いた、と知人からは感謝の連絡があった。
どれか一つのルートがダメでも、あっち回り、こっち回りと、大概は成田までそう時間をかけずにたどり着けることが分かった。これはわが家からだけではなく、東京周辺なら、どこからでも似たような事情だと推測できる。成田に到着できないリスクは相当、低くなっている。インフラというのは、かくあるべし、とつくづく感じた次第である。
一方、もう一つの重要インフラである通信ネットワークやデータセンターなどの情報分野はどうか。通信ネットワークは競争市場でさまざまなルートが確保されているように見えるが、実は、日本から海外に出るインターネット回線は、95%が、東京経由である。残りの5%も大阪経由で、2都市のルートしかない。大地震の襲来が近いうちに危惧される東京への偏重は危機的状況である。データセンターも首都圏に72%が集中しているという。交通インフラに比べて情報インフラのノー天気なことよ。事態を直視して、早急に情報インフラの分散、通信ネットワークの海外ルートの多様化、多元化を急ぎ、図らなければならない。