小学校のHPはすごいぞ

小学校のHPはすごいぞ

内田洋行 『inkSpot』 奇論・暴論 2003年11月25日  

「全日本小学校ホームページ大賞」(選考委員長=村井純慶應義塾大学教授)が創設され、その最終選考と表彰式が22日、開催された。大賞に選ばれたのは千葉県印西市立大森小学校のホームページ(http://academic2.plala.or.jp/omori/)だったが、最終選考に残った全国からの10校はいずれも、予想を上回る水準だった。日本のインターネットは遅れている、と嘆いていたのが、いつの間にか、ハイピッチで小学校のレベルが上がっている。

 このコンクールは一風、変わった仕組みでスタートした。全国2万強の小学校のうち、ホームページを公開している1万2180校のものを、500人強のボランティアが数ヶ月をかけて「勝手に」審査した。いくつかの審査過程を経て、各県一校の代表を選定した後、選ばれた学校に初めて連絡した。ネットワークに公開されたホームページだからこそ、こういう「勝手選考」が可能で、インターネット時代のまったく新しいコンテストといえる。

 各県一校に絞り込まれたところから、7人の選考委員会で審議をし、最終選考で10校を選んだわけである。筆者も、選考委員として、約50校のホームページを細かく見させてもらったが、繰り返すけれども、その質の高さに驚かされた。先生の指導やリードの下に、児童が文章を作成し、写真を撮る。時には校長先生も参加し、あるケースでは、専門業者が協力して、ホームページを作っている。毎日、更新しているところもある。

 父兄向けに情報を発信しているところは、毎日の学校の生活を写真で伝え、給食のメニューを掲示する。ウエブカメラで、ライブの映像を見られる学校もある。対話型、双方向の意見交換ができるところもある。遠い地方の学校と提携して、テレビ会議をしているところもある。考えられるアイデアがふんだんに盛り込まれている。思わず、自分の会社のホームページが恥ずかしくなる。

 それにしても自信を持ったのは、デジタルカメラが大活躍し、どのホームページも画像がふんだんに使われ、学校生活が生き生きと伝わってくることだ。文字だけでは伝わらない生活の雰囲気がひしひしと感じられる。そして、どの国のホームページを見ても、こんなに生活を撮影した画像がふんだんに、しかも最新の画像が掲載されているホームページは、日本の小学校以外には存在しない。これはデジタルカメラが急速に普及し、撮影したらパソコンに移してその日のうちにアップできる状況が出来上がったからこそ可能な早業である。最近ではカメラ付き携帯電話で撮影して、その場からアップすることも簡単になってきた。ここでは、圧倒的に日本が先行している。

 その最先端の道具を駆使してインターネットの発信力を体験する子供たちが大量に輩出されようとしているのである。頼もしい限りだ。

 ただ、まだ、8000以上の小学校がホームページを公開していないのも現実である。様々な事情があって、ホームページ公開を避けているのだろうが、先進的な小学校がどんどん経験を積んでいるのを見ると、インターネット時代を生き抜く力に、大きな格差が生まれそうな気がする。ホームページの公開を躊躇している小学校も、急いで、公開の方向に動き出すことを期待したい。

内田洋行 『inkSpot』 奇論・暴論 2003年11月25日

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