地球温暖化による異常現象が目に見えて増加してきていることから結論できるのは、ここ数ヶ月のうちに、「炭酸ガス削減」ということが企業経営の最大の重点施策になるということだ。もちろん、地球環境サミットである洞爺湖サミットもその流れを大きく加速させるだろう。これまでも「グリーン経営」として、貴重な金属資源や森林資源を節約して使うことを目標にした「省資源活動」や「もったいない運動」が展開されてきたが、今回の「炭酸ガス削減」はさらに目前の緊急の課題に取り組むために目標を絞り込んだものである。
これまで企業は「環境報告書」をまとめて自社の事業活動が地球環境に与える負荷を軽減する努力を明確にしてきた。再生紙の利用の拡大(その根拠が製紙会社の虚偽再生表示で危うくなってきたが)や従業員・家族による空き缶回収、製品のリサイクル設計など、幅広い活動だった。しかし、これから企業はより直接的に企業活動に伴う「炭酸ガス排出量」の計測とその削減目標の設定、到達度の計測と状況開示などを義務付けられることになろう。自社の製品の製造過程、サービスの提供にどれだけ炭酸ガスを使用しているか、従業員の通勤に伴う炭酸ガス排出量やオフィスの照明やエアコン、事務機器や通信機器の電力使用量、販売した商品がユーザーで排出する炭酸ガス量の推計など、幅広く把握しておく必要に迫られるだろう。
特に情報機器は電力多消費の機器として槍玉にあがりそうなので、今のうちから省電力のさらなる努力、自然エネルギーやバイオエネルギーを利用する設計、あるいは、直接的にそうした発電機やエンジンの商品化など、早急に準備を進めておくことが必要だろう。
その他、最近、気がついたニュースでは近畿日本ツーリストが団体旅行のうち、まずは修学旅行について、という限定だが、排出権購入をオプションにつけた旅行商品を売り出した。旅行で利用する交通機関は大量のエネルギーを使用し、炭酸ガスを排出する。バイオエンジンや燃料電池などの炭酸ガス負荷がほとんどゼロのエネルギーを利用する移動手段が出てくるのはずっと未来のことだろう。そこで近畿日本ツーリストは炭酸ガス排出量の少ない発展途上国が余らせる炭酸ガス排出枠を購入することで排出量を軽減するというわけである。「奥の手」はこの排出権の購入だが、一般企業は、まだまだ、事業活動の見直しで排出量の軽減は可能である。
もっとも、その前提は、自社の事業活動でどれだけ炭酸ガスを排出するか、その計測システムが確立することだ。情報機器ベンダーとしては、そのシステムを開発し、提供することが、最大の社会への貢献かもしれない。