「IT投資」に「不況活用」の思考を
2008年12月08日
不況のときに真っ先に削られる予算が「3K」、つまり、広告費、交通費、交際費で、実際、この影響は顕著に現れている。新聞社や民放テレビ局が軒並み減収減益に見舞われ、一部の企業では赤字に転落した。タクシー運転手さんも、銀座や赤坂、六本木の高級飲食店も暗澹たる思いである。3Kに次いで対象になるのが「IT投資」だそうだが、「IT投資」が「不要不急」との認識なのは間違いで、たいへん残念なことである。至急、認識を改めてもらわなければならない。
もっとも企業の情報システム投資の姿勢にも、この際、大きなチェンジが必要になるかもしれない。というのは、従来のシステム構築とは考え方の違う大きな潮流が押し寄せていることだ。慎重なシステム担当者にとっては、今までの姿勢を転換してこの潮流に乗るのは危険を感じるので、潮流には目をつぶって安全策を選びとってきている。その姿勢を転換する絶好の機会になるのである。不況を利用して、意識の転換を図るというわけである。
その潮流はSaaS、仮想化、グリーンIT、シンクライアントなどのキーワードで示されるものである。システム構築のコスト削減に役立つ、消費者や行政から要求される地球環境保全のための低炭素経営、セキュリティ対策などを実現するものである。結果として、経営合理化、ビジネスプロセスの革新につながり、不況脱出の後の回復期に企業競争力の勢いをつけるものとなるだろう。
IT投資を絞り込むときは、既存のシステム計画をスローダウンするのではなく、新しい発想法に基づくシステム作りの採用にギアを切り換えるときではないか。「不況」を企業革新のばねに活用すれば、不況もまた「企業進化」を進めるエネルギーになる。