せっかく、チャンスがあるのだから、何か、応募したい。
最近、知人から、「補正予算の公募に応じたいのだが、詳細を調べてもらいえないか」という問い合わせが多くなった。あちらかもこちらからも聞かれるのだが、当該テーマのホームページを調べても、なかなか詳細の説明にはたどり着かない。よく考えてみると、補正予算の話が持ち上がったのは3月頃で、今年度の本予算でアイデアを絞りつくした霞ヶ関の担当者から、「こういうことでアイデアはないか」としきりに聞かれたのが4月中旬、5月末には「明後日までに、こういう案件で企画書を出せないか」と切羽詰まった官庁側の打診があった。
補正予算は「まず金額ありき」で始まった。戦後最大の「霞が関バブル」と中央官庁を興奮させている。渋い顔をしているのは、財布を預かる財務省だが、「100年に1度の経済危機の緊急対応策」を錦の御旗にする政治のトップが喜々として大盤振舞を宣言しているので、財務省も逆らえない。この財源はいずれ、国民の税金で支払わなければならないので、15兆円が的確に経済を刺激しなければ、後で襲ってくる財政破綻の危機は、大盤振舞の額が大きければ大きいほど、深刻にならざるを得ない。
本当に、15兆円は的確に使われるのか?
にわか作りの政策なので、ともかく数字合わせのために、この際、企画を出してみれば、というような行きあたりばったりの政策に思うのは筆者だけだろうか。もちろん、詳細は分からないが、IT業界に関係したものも多いようである。現今の受注激減の中では、この補正がらみは魅力的である。プロジェクトがどういう成果を挙げるのか、というよりも、その支出による景気刺激効果が優先されるので、とりあえずは応募するのが賢明だろう。ただ、モラルハザードが起きるかもしれないという不安は残る。景気が失速するよりはマシ、と、痛み止めのモルヒネを注射するような思いである。
いずれは、巨額の資金を税金として国民から集めるにしても、景気良くお金をばらまくのは現在の為政者で、えらく気前の良い、良い人のように見える。しかし、よく考えると、このお金は 自分の腹はちっとも痛まないお金である。他人のお金を自分のお金のように配って人が群がってくる。総理大臣というのは、気持ちの良い仕事だ。1日でも長くその座にいたいと思うのは、当り前か。せめて、IT関係だけでも、意味のある使い方をして欲しいものである。