新政権序幕の猛烈展開

新政権序幕の猛烈展開

物語の進行技法にはいくつかの手法がある。文章作法としては「起承転結」がある。日本の芸能では「序破急」がある。「起承」の部分を「序」にまとめて考え、「転」「結」を「破」「急」に対応させれば、その進行技法は通ずるものがある。観客を感動に導くシナリオ技法である。

ところが、鳩山政権はこのような手法とは無縁のようだ。最初から「急」、あるいは「転」である。鳩山首相の国連の場での「炭酸ガス排出量の25%削減」表明、前原国土交通省の「八つ場ダムの建設中止」判断と現地説明会開催、北沢防衛相「沖縄・普天間基地の移設予定先の防衛大臣の視察」と、めまぐるしい展開である。これまでの長い自民党中心の政権で溜まった「おり」を一気に拭い去るという決意である。前例のない激しい動きである。これまでのビジネススタイルに慣れ親しんできた多くのビジネスマンや経営者にとってはとても受け入れられるものではない。ダム建設の地元住民も同じである。これが政権交代なのであろう。それに慣れるまでは、軋轢が続く。

テレビや新聞記事を見ると、従来の理論で推論を重ねて、いかに新政権の政策が誤っているか、多くの評論家や経済学者が極めて精緻に説得してくれる。しかし、待てよ、と思うのは筆者だけではないだろう。これらの評論家経営学者がこれまでまともに政策を論じたことはあったか? 「これではダメだ」という主張をいつでも述べているだけだ。今回は常道を失した新政権の政策なので、失敗することを予想して安心して新政権の政策の無謀を批判する。後世から振り返れば、意味のない批判だったことが分かるかもしれない。しかし、今は、けっこう大きな声の批判である。

日本の現状をみると、これまで神格化されてきた、さまざまな方程式が壊れてしまった。だれもエラソーに結果を予想できる理論を持ち合わせているはずがない。結果責任を問われることのない評論家や経済学者が無責任に声高に新政権の政策に従来の理論をもって批判する。これはただの「足の引っ張り」ではないか。

こういう中で、IT戦略もできるだけ早く方向性を見出し、「起承」や「序」は省いて「転結」「破急」に進む政策展開を期待したい。

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