鳩山新政権の成立のいかんを問わず、中国の急速な成長は今後の日本経済の方向に大きな影響を与えざるを得ない。旧政権は、米国一辺倒で中国との関係はぎくしゃくしていたが、これは、中国を見る視線が「上から目線」で、戦後の長い「発展途上国の中国」のイメージから抜け出られなかったからではないのか。中国と今後、どのように関係を築いてゆくのか。ソフトウェア産業について言うと、ここで、台湾の産業界を思い起こす。急速に進展した台湾のソフトウェア産業の水準が高いばかりではなく、中国とのブリッジでも大きな意味をもつだろう。11月中旬、東京で台湾の情報産業界が商談会を行う。そうした視点から、台湾産業界との緊密な関係構築のためにも、多くの企業の参加を望みたい。
今年の第3四半期(7-9月期)も中国は前年比8.9%の成長で、以前の二桁成長とはいえないが、それでも、現今の欧米先進国からみれば奇跡的ともいえる高度成長を維持し続けている。 その結果、今年度あるいは次年度には中国はGNPで日本を追い抜いて米国に次ぐ世界第2位の経済大国に躍り出ることになりそうだ。
日本は中国を「上から目線」で眺める相手ではなくなる。従来の安い労働力を「使う」という中国との関係は遠からず「使われる」に変わるような激変も予想させる。もちろん、日本の産業界もせめて中国との対等の関係を保つような努力を始めなければなるまい。その努力によって日本の産業界の明日が開けるかもしれない。
とりわけ、ソフトウェア産業である。これまで「オフショア開発」として、国内で開発してきた分野をどんどん中国に持っていったが、それはあくまで「安さ」が魅力であった。最近では上流工程の「品質」も評価されるようになったが、本音は「価格」だったのではないか。しかし、これからは、価格ではない。中国側に有利になっている為替は、早晩、調整されることになるだろう。重要なのは、中国の得意分野と日本の得意分野を点検してすみ分けすることだろう。互いの補完関係になることがポイントである。
ただ、問題は、中国人と日本人はビジネススタイル、勤勉さ、モラルなど大きくかけ離れていることだ。日本流の高い水準を中国側に理解させて実践できることを監督するには、日本人単独では難しい。両者の間をとりもってくれる優秀な技術者集団、優秀な経営者が必要だ。
そうした観点から、どのように台湾との関係を構築するか、必死の努力が必要だろう。折しも台湾ソフトウェア協会(CISA)が11月17日午後、東京・新宿ヒルトンホテルで台湾の有力企業が来日して「交流商談会」開催する。筆者が会長を務める全国ソフトウェア協同組合連合会(JASPA)では全面的にこの交流商談会を支援する。多くの方に参加してもらうことが、今後の日本のソフトウェア産業界の飛躍にもつながるのではないか。